転職エージェントはどうやって「人」をみているのか?について

Updated: May 17, 2021


こんにちは、PROVERの中村です。


私は転職エージェントとして求職者様の転職活動をサポートする仕事をしています。この仕事は求職者様を知ることからスタートですが、何を、どのように見ているのかを言語化してみました。

コミュニケーションの前提条件をつくる

まず最初の10分で「この人と会話する上で建前は意味を持たない」ということを自然と感じていただけるようにコミュニケーションします。初対面の相手にいきなり全てさらけだすことに誰しも抵抗感があります。だからこそ、この「抵抗感」を全て無力化します。心理的安全性の担保、技術への信頼、言語化しないで共有する目的の3つが重要になってきます。

<心理的安全性の担保> 心理的安全性を担保することは意外と難しいものです。転職の相談は色んな種類の「警戒心」が生まれることを私たちは理解する必要があります。そのために「自己紹介」で自分のどこを見せるのか・キャラの確立、「話の聞き方」に対する感度の高さ、「問いの質」、相手の話に対して「どのような言葉で理解を示す」のかが重要になってきます。少し抽象度が高い話なので、簡単に具体例を踏まえながら説明をさせて下さい。例えば相手から「最近全然モチベーションが上がらなくて、、、」という相談をもらったとします。



NGな問い →なんでモチベーションが上がらないんですか?

GOODな問い →何がモチベーションの壁になっているんだろう?

この2つの問いが相手に与える微妙な心理の違いを理解できているかが「感度」です。前者は少し攻撃的な言葉のチョイスになるので、受け手は自分を責められているような気持ちになってしまいます。

ここにもう少しテクニックを上乗せするなら、 →最近モチベーションが上がらなくなってきているんですね... 一流のアスリートでもモチベーションに悩まされ、プロのメンタルコーチをつけているぐらいですから、1人で考えるには難しい課題ですね。それでは何がモチベーションの壁になっているのかを知ることから一緒にスタートしてみませんか? となります。

3つ目のような問いばかりしていては、会話のテンポが悪くなってしまうので使い所のバランス感覚も必要になってくるが、心理的安全性を生み出すためには繊細さが必要不可欠であることをわかっていただけたでしょうか?

<技術への信頼> 技術に対する信頼を生み出すには、最初の10分で相手の「行動特性分析」を終わらせる必要があります。

①MBTIの中で相手はどこに位置する方なのか?







MBTI Wikipedia より

②エニアグラムの中で相手はどこに位置する方なのか?



イチャーソ/パーマー/リソによるエニアグラム上での9つの囚われまたは性格の分類。日本語訳は訳者により異なる。出典:郷 尚文『グルジエフ総論:エニアグラム』(Amazon Kindle版)

③ストレングスファインダーの中でどのような特性がありそうか?



career theory, ストレングスファインダーとは?最大限活用するための全知識 https://career-theory.net/strengths-finder-6477

本当はBIG5を活用するとコントラストが高まるのですが、情報が多すぎて混乱してしまうため現在は3つに絞っています。

<言語化しないで共有する目的> 面談する人間の目的が明確であるほど面談の問いが変化し、相手に独特の世界観が伝わるようになります。大事なのは相手が自分の世界観をどのように受け止めたかです。先に自分の価値観や世界観を言語化してしまうと相手にバイアスが生まれるため、自分の努力以上に面談が評価されることがあるので辞めました。


これで相手を知るための前提条件が揃います。


まずは原理原則に基づいて相手を知る

人生における原理原則とは「求めるもの」「求めるものに対しての行動」「求めたものと行動の誤差をどう認識しているか」の3つで成り立っていると私は捉えています。 著書PRINCIPLES では、人生と仕事の原則を ①何を知っていたかよりも、知らないことにどう対応したか?  ②現実を正確に理解することは良い結果を得るために必要不可欠  ③意思決定の際にエゴと盲点が障害となる と解釈しています。

PRINCIPLES(プリンシプルズ) 人生と仕事の原則 (日本経済新聞出版)www.amazon.co.jp3,960円(2020年12月05日 19:51時点 詳しくはこちら) Amazon.co.jpで購入する

これらの原理原則をふまえた上で、私が面談を通じて明確にしていくのは ①価値観(言葉の色彩とコントラスト) ②価値観の背景(インパクトと反復) ③わからないことと向き合う上での思考プロセス(再現性) ④人生の意思決定プロセス・動機の確認 ⑤原動力の確認 ⑥目標における思考プロセスと行動 ⑦相手が人生で求めるものは何か(自己実現を求める人間にも、下位概念の欲求があるという前提においてマズロー5段階の掘り下げ)

1〜2時間で全てを明確にするなんて無理ゲーだと思われることも多いですが、全てを知ろうとする必要はないのです。相手のOSだけ抑えておけば、今までに蓄積した行動分析データ・履歴書・職務経歴情報と組み合わせることで大抵のことは予想できるようになります。

漫画家の方が「勝手にキャラクターが動き出す」という表現を使いますが、面談もそういう感覚なのです。

OSとは何か?

私はOSを相手の固定化された思考プロセスと定義しています。問いに対して、何を考え、どのように答えを導き出すのかを知ることはとても重要です。相手の思考プロセスを知る上でおこなっていることは、 ①免疫マップを活用した思考法理解 何かの問題を相手と共有し、自分の頭の中に免疫マップをつくり、相手が技術的課題・適応課題をどのように捉えるのかを知る。(切り口と深さ)



著書 なぜ人と組織は変われないのか

②知性の発達段階がどこにあるのかを知る 相手が自分をどのように認識し、こちら側は相手をどう捉えているのかを明確にします。ここでは相手の自己開示と捉え方を確認しています。



③社会をどのように捉えて、因数分解しているか? そもそも仕事・会社・業界・社会をどのように解釈し、絵を描いているのか、接合しているのかを知るために質問をします。ここで相手の「サラリーマンレベル」「経営レベル」「クリエイターレベル」がわかります。

④課題に対する思考アプローチ 課題に対するアプローチが「目標」「課題」「行動」のようにアバウトな思考プロセスしか持っていないのか、「目的」「原理原則」「目標」「現状」「乖離」「課題」「要員」「シミュレーション」「行動」のように一定の解像度がある思考プロセスを持っているのかを確認します。

慣れてくれば30〜40分ぐらいでここまで辿り着くことができるかと思います。そうすれば勝手にキャラクターが動くような感覚で、求職者様の過去・現在・未来のつながりが見えてきて、相手の求めるものと現在を繋げるためにどうしたらいいかを一緒に考えていくプロセスへと進めることができます。

あとは丁寧に妄想と現実のギャップを埋めながら、求職者様の理解を高め、転職活動と結びつけていきます。

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